2023年7月の個人的に楽しんだエンタメを好き勝手にまとめていきます。
ここから派生して、ひとつの記事になることもあるのでご了承ください!
第4週 0724~0730
夜空に泳ぐチョコレートグラミー
町田そのこの短編集。
思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋。
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そしてともには生きられなかったあの人のこと――。 大胆な仕掛けを選考委員の三浦しをん氏辻村深月氏両名に絶賛されたR-18文学賞大賞受 賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。
すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作。その他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。
表題作『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』は、すり鉢状の町で必死に生きる少女と、その少女の「孵化」に強い衝撃を受ける少年が主な登場人物として描かれる。
それぞれにやりきれない思い抱えた彼らの一夏が舞台だが、悲しい夏の終わりと、外の世界へと泳ぎ出す少女への賛歌となっていて、強く生きることを応援してくれる。
『波間に浮かぶイエロー』は、「おんこ」のおかまカフェ店員と、恋人に先立たれて町に流れ着いた女性、かつて思いを寄せられていた男に縋り付きにきた妊婦の3人の女性がメインに描かれる。
それぞれに思いを抱えながら互いに理解しようとしていく姿や、互いに背中を押し合う姿が良い。そして最後には「おんこ」の正体も明かされ、強い衝撃を受けると同時に深い愛を感じることができる。
全5編の短編集なのだが、それぞれが違った角度からおなじ町を描いていて、生きづらさを感じながらも必死に生きる女性たちに背中を押される小説になっていました。
死刑にいたる病
榛村(阿部サダヲ)がスーパー殺人鬼すぎる。怖いを通り過ぎて若干おもしろく見える部分もあった。現実離れしたヴィランとしては、物語的に良い特徴を持っていて物語の軸を担うのにはとても良かった。
また「環境が悪いと自尊心が低い」というのは、リアリティがあると感じた。自尊心が低いので、感情が揺さぶられやすく、承認を受けると心理的な親密度が上がる。フィクションとしての描写だが、そのような子どもたちが狙われるのは少しクるものがあった。
総合的には、現実離れしたスーパー殺人鬼だったり、主人公の目まぐるしく展開する心理状況など、楽しめるものがあったので良かった。ただ、最初の「桜」をまくシーン、あれだけはトラウマになるからやめてくれ、というのが本音w
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